地理感覚からみる人の成長
地図を眺めていると、大体の距離感と地名が一致するようになりました。特にここ10年ほどは秋田、新潟、埼玉、群馬と居を移しながら生活していた上に、旅行を趣味として沖縄以外の殆どの土地に足跡を残してきたから当然かもしれません。 高校を卒業するときには都道府県の位置や名前については頭に入っていたし、大学時代に地図を読みながら街を歩いたりもしていました。 しかし、今は自分自身の一部のように感じるこの地理情報はいつから自分のものになったのだろうか、と疑問に感じます。 考えてみても、よくわからないというのが実情です。何かのタイミングですべてがわかるようになったわけではありませんでした。 最初は自分自身の立っている地面、見える景色、それらが地図情報と一致し、テレビや写真の映像が見えない世界をつなぎました。次第に行動範囲が広がり、見えない世界は見た場所、触れた場所に変わっていったのです。 何も知らなかった時の自分が今では思い出せませんし、当たり前のようにこれまでの経験を生かして生活している自分に気づくようになりました。人間というのは面白い生き物なのだなと感じます。