投稿

3月, 2023の投稿を表示しています

自転車人としての服装

  自転車を日常的に、つまり通勤通学お出かけ買い物、その他ありとあらゆる場面で使用する人間にとっては服装というものを考える場面が増えていきます。  両手両足をある種拘束されながら、風を浴びて走行する自転車利用は、徒歩移動や自動車移動とは違った要素があるということは言うまでもありません。  風や気温についてはウインドブレーカー等の風を通さない衣類を着ることで解決できます。力強く漕いでいるとむしろ体温が上がるので、冬でも温かいくらいです。  一番厄介なのは雨と汗かもしれません。濡れるということは急速に体温を奪い、場合によっては命に直結するからです。夏場は多少問題はありませんが、春秋冬がやや工夫が必要です。  特に冬については、本州北海道問わず、服の選択が体調に大きく影響します。冬の自転車は速度がそれほど出ず、脚力を非常に使うので運動量が多いです。そのため、見た目以上に熱いので汗をかきます。  運動を止めた時、その汗は体温を奪う脅威となります。できるだけ早く乾燥させる必要があるので、速乾性の肌着を着ることが一般的です。  つまり、インナーには速乾性が、アウターには防風性、透湿性が、気温に応じたミッドレイヤというレイヤリングが冬の自転車乗りに求められる服装になるのです。実はこれ…冬山登山の装備と重複する部分が多いです。自ずとモンベルやファイントラックなどに収れんされていくわけです。  そういった格好は、都市徒歩自動車生活者の服装とは全く違うものになります。よいいでも悪い意味でも浮き上がる存在になります。  今はまだまだですが、浮いて見えない、或いは当たり前のように自転車に乗っている人なんだなと理解されるように、段々と利用者を増やしていきたいものです。

運命と命運

 運命と命運という言葉はどういった意味でしょうか。  ここで辞書を使うのはナンセンスです。ディスカッションの盛んな欧米においては、言葉の定義づけから議論が始まり、その場限りの合意(コンセンサス)を得るのです。そういった知的な活動が新しい価値観を生む土壌になると私は考えています。  私の言葉の定義を話しましょう。  まず運命、命運ともに「人の力では変更することのできない決まりごと」と捉えています。  その上での違いは、運命は変革を願い行動している状態であり、命運は自らがそれを納得し受け入れた状態と考えています。  言い換えれば、人間というものの生き方や方向性などは結果から言えば決まってはいるが、自らの気持ちの持ちようによって違うものになりうる、と言えるかもしれません。  さて、皆さんはどう考えますか。

WORKMAN ベーシックドームテント(キャンプギア紹介第2回)

 ギア紹介第2回は、安価で必要十分なソロテントとして一躍有名になった「ワークマンベーシックドームテント」について行っていきたいと考えています。  Youtube、個人のブログ等で絶賛されているこのテントですが、自転車キャンプで使うという視点から紹介できれば良いかなと考えています。 【目次】 ・商品スペック ・良かった点 ・悪かった点 ・まとめ 【商品スペック】 製造元:ワークマン サイズ(設営時):215(長)×104(幅)×98(高さ) サイズ(格納時): 重さ:2,5kg 耐水圧フロア:3000m 耐水圧フライ:2000m 【良かった点】  「一番気に入っているのは…価格だ」といっても過言ではないくらいに、安価です。  雨キャンにも十分耐えうるだけのスペックを持ち、自立し、ダブルウォールテントであり、前室もあり五千円に収めたといのは、企業努力の賜物でしょう。  安いからといって特段どこかが悪いということはないです。雨風をしのぎつつも、テントの中で座ったりするくらいの余裕がある高さなので、必要十分という広さと性能なのです。  重さも2kg程度と、軽くはないが重くないという感じで合格点です。フラットバーであればハンドルにくくりつけることもできるので運搬も容易です。    さらに、2023年のモデルチェンジでは、ポールの長さが延長されました。2022年モデルでは延長パーツが別売りでしたが、嬉しい変更です。 【悪かった点】  ほとんどなく、気になる人は気になるかなと思う点はいくつかあります。  まず、縫製については最後の処理はやや荒いです。もちろん浸水するようなものではないので、多少毛羽立ってたりが目立つ程度です。  次に、ファスナーの動きがやや鈍いです。ノーブランドのものなので仕方ないですね。  これもモンベルや他の高価格なテントと比べればなので、割り切れば大丈夫です。 【まとめ】  キャンプギアを揃えようとした時にはなかなか尻込みしてしまうものです。高価なものが多いですし、使いこなせないかもと感じる人も多いかもしれません。  しかしながらベーシックドームテントはそのテントの中でも安価かつ、十分な性能を備えており、「イチ」のギアとしては間違いなくオススメできます。

SURLYという会社の本気を見た

 皆さんは SURLY という会社をご存じでしょうか。1998年創設の北米の会社ですが、大手自転車卸からブランドとして独立したのでその伝統は長いとのことです。  タイヤが太ければ太いほど良い、ということを大事にしておりグラベルバイクからファットバイクまで、競技で勝利することよりも、走っていて楽しいことを重要視しています。  現在は生産終了となりましたが、パグスレイはファットバイクの開祖ともいえる存在で今でも愛好家の多いメーカーです。私の愛車KHSのファットバイクシリーズもSURLYを参考にしたのではないかと思うところも多々あり親近感のある会社です。  最近、輸入代理店さんのショップを見ていて、非常に興味深い商品を見つけました。 http://ride2rock.jp/products/32230/  非常に大型かつ、耐荷重100kg超のフラットベッドトレーラーです。  自転車のトレーラーで有名どころだと バーレートラボーイ が定番です。折り畳み式で軽量ながら25kgを積載可能な便利なものです。今度レビューします。   フラットベッドモデル もあります。耐荷重は45kgです。  それらに比べると非常に堅牢なつくりのトレーラーだということが見て取れるでしょう。さすが「冷蔵庫すら自転車で運ぶ」と豪語する会社であります。自転車での生活者を増やして、生活や世界環境を豊かにしていこうという姿勢がひしひしと伝わります。  私自身も、10年前に比べると自転車を活用し生活するようになりました。いよいよブロンプトンの企業理念にひかれ購入しましたが、SURLYも同じ志を持った企業で非常に気になっています。

過ぎてしまえば恋しいものです

  2週間で札幌の雪は殆ど消え去ってしまいました。もう路傍に積み上げられた雪も僅かで、そのあとに滑り止めの砂が山を作っています。  12月下旬から根雪になって3カ月ずっと雪面氷面を中心に走行していましたが、雪のない路面を走っていると少し物足りなさを感じています。スノーグラベルとでもいえばよいのでしょうか、延々と続く雪と氷が混じった路面を快走する感覚は、通常のアスファルトや多少の砂では味わえない快感でした。  決して夏場のアスファルト路面と比べれば速度が出るわけではありません。平地なら出たところ15㎞/h、下りでも30km/hは出ませんし出せない場面も多々あります。それでも楽しいと思えるライドばかりだったのは、常に新しい出会いがあったからということが理由かなと感じています。  降雪があればパウダーな路面に、雪が踏み固められれば圧雪面に、日照があれば表面が解け、夜間に気温が下がれば氷結します。同じ道でも同じ状態で走れる日は二度とないと感じました。毎日の変化が常に私にとっての刺激になりました。  今は、次の冬が待ち遠しくてたまりません。冬の間鍛えた足で折り畳み小径車中心に乗り換えながら、本州と北海道の3シーズンを楽しみつつ、ファットの季節へつないでいきたいです。

すずめの戸締り と それぞれの3.11

  札幌でも非常にロングラン上映になっております、新海誠氏の映画「すずめの戸締り」は皆さまごらんになりましたでしょうか。私は上映開始週と先週に2回視聴しに映画館に行きました。  過去に公開されていたの冒頭15分の動画からも分かる通り、12年前の3月11日、東日本大震災の東北を彷彿とさせる描写が存在します。実際には、東北震災そのものではないのですが、それはごらんになっていただきたいですね。  宮崎県南に住む岩戸鈴芽は、閉じ師である宗像宗太と出会い、災害の予兆であるミミズの出てくる扉「後ろ戸」を閉じていくという仕事に巻き込まれていくというストーリーです。物語は様々な人との交流を経ながら、東へ、北へと進み、最終的には鈴芽の故郷である岩手県宮古にまでたどり着くのです。  私の感想をまず先に書きます。  まずは風景、空の美しさです。新海氏の描く空は、主人公たちの心情や現状を映す鏡であり、美しさも壮絶な破壊ももたらす場所です。「君の名は」のティアマト彗星に始まったことではなく、「雲の向こう、約束の場所」においても、主人公たち共通の憧れの場所であり、敵国の兵器の置かれた戦場でもあったわけです。  今回の作品においても、美しき死の世界、雄大な景色に伸びていくミミズ等圧倒的な描写は劇場で見てほしい作品だなと感じました。  次に、各地での人物の描写です。主要な登場人物はもちろんのことなのですが、表現としてその土地土地の人の過去の思い出が主人公に流れ込むシーンがあります。地方の漁村から廃校、遊園地に至るまでその土地でゆかりのあった人の記憶がです。  私も廃屋や廃墟を見るのが好きなのですが、それは何かしらの目的をもって建設され、そして放棄された物語があったと感じるからです。新海氏もまた同じような視点で見ているのだろうなと感じました。  アクションシーンも見ごたえがあり、テンポよく進むストーリーも相まってあっという間に時間が過ぎていきました。  題材は間違いなく地震、大災害です。これまでも氏の作品は「セカイ系」と評されることも多く、2000年代頃に流行したそれを多分に浴びた存在であることは間違いないでしょう。  ただ、過去の作品で描かれた世界の危機は「君の名は。」では彗星の落下であり、「雲の向こう、約束の場所」では空間位相変化で地球が呑まれる、という私たちの日常に経験がなかなか起きに...

DAHON K3(自転車ギア紹介1回目)

イメージ
 さて、今回は自転車の紹介をしていこうと思います。折りたたみ自転車のDAHON K3です。輪行向きの車両が欲しくて2年前に購入し、普段使いから遠方への輪行遠征まで幅広く対応してくれた素晴らしい車両です。 下仁田の日昇軒さんにて ロードサイドのお店でしたが、軒先においておけるコンパクトさです。 ※フェンダーは自作です。 【目次】 ・商品スペック ・良かった点 ・悪かった点 ・まとめ 群馬総社駅にて、初の輪行自転車キャンプに向かう様子 購入して1か月ほどで泥除けを自作するくらいに様々な用途に使っていました。 【商品スペック】 製造元:DAHON 製品名:K3 重さ:7,8kg ホイールサイズ:14インチ チェーンリング:53T 変速段数:3速(9/13/17T) 価格:\105,600(2022年モデル) 千葉県鴨川市海岸にて フロントに大容量リュックサック、サドルとハンドル下にフレームバッグを装備 明らかな過積載だが、できるだけのポテンシャルを秘めていました。 【よかった点】 ・コンパクトで軽量  折り畳みサイズは、20インチの二つ折りと比べてもコンパクトで折りたたんだ時の取り回しが楽です。そしてK3はDAHONのラインナップの中でも最軽量の部類です。  これらの特徴は輪行で持ち歩く際に非常に有利に働きます。 ・見た目以上に走る  その上でチェーンリングと変速機の歯数を見てもらえばわかる通り、ハイギアを踏み込めれば非常に高速に走行可能です。  見た目は、非常に小さくてかわいらしくとも感じられるかもしれませんが、見た目以上に走る自転車です。 一緒にキャンプに行った先輩のウラルと撮影! 翌日は折りたたんで荷台に乗せてもらい、一緒に帰りました。 側車付きオートバイにも載せられるコンパクトさなのです。 【悪かった点】  恐らくですが、通勤や日帰りのお出かけなど普通に使う分にはほとんど悪いと感じることはないと思います。ここで紹介する事項については、私の使い方が、過積載で山岳地のキャンプ場に向かい、登攀・ダウンヒルを繰り返す運用であるというところに大きく起因するということは前置きしておきます。 ・スポーク、リムテープ、チューブの損耗が激しい  自転車というものは、計画破壊といいますか、クラッシャブルゾーンのような部位が設けられています。ママチャリことシティコミューターがアルミ製の...

Finetrack ツェルト2ロング(キャンプギア紹介第1回)

イメージ
 以前からやりたかった企画である自分が保有し使ったことのあるギアの紹介を行っていこうと思います。  記念すべき第1回はFinetrackのツェルトです。 神戸市ケ原にて。設営も非常にコンパクト 【目次】 ・はじめに~ツェルト概要 ・商品スペック ・良かった点 ・悪かった点 ・まとめ 【はじめに~ツェルト概要】  まず、ツェルトというものについて皆さんはご存知でしょうか。ドイツ語で言うところのテントという言葉で、日本では山岳用の軽量なもの、一時的な避難シェルターとして扱われることが多いです。  中でもFinetrackのツェルトシリーズはサイズと大きくしたり、底面を連続させるなど居住性を高めたことが特徴です。  現に、私のキャンプの中で本州の冬季を中心に、一番利用しているテントになりました 【商品スペック】 商品名:ツェルト2ロング 会社名:Finetrack 大きさ(展開時単位cm):220(長さ)×100(幅)×95(高さ) (格納時)おおむね500mlペットボトル 重さ:約500g(テンションコード含む) 価格:\29040(2023年3月時点在庫なし) 【良かった点】 ・コンパクトで軽量  注目するべきは収納時のサイズと重さでしょう。非自立式(ポールなどを内蔵)なのでポールは別に持つ必要はありますが、それでもフレームバッグ一つに設営に必要なペグも含めて収納可能なコンパクトさは、私の保有する他のギアに比べようがありません。 ・自転車キャンプとの相性が良い  特に、自転車キャンプの中でも、自走の時間が長く、夜は軽食を食べて休めればよい、と割り切れれば、軽量さも相まってよい相棒になります。 折り畳み自転車はSTRiDA。ツェルトはフレームバッグに入れ リュックサック一つでキャンプに行きました(休暇村近江八幡) ・様々な使い方、張り方ができる  ツェルト2ロングは底面を切り離すことができるので、一部をはぐって土間のように使うこともできます。  夏場であれば、完全に切り離して釣り上げることで居住空間を拡げつつプライベート空間のあるタープシートのように張ることもできます。 ・通気性が良好  もちろん、山岳テントとして使うには十分です。シングルウォールテントながら結露は控えめですし、晴れれば猛烈な勢いで乾くので通気性は非常に良好です。 ポールを高くし、底面を開放することでタ...

長尺自転車とタンデム自転車

  今日の話題は長尺自転車とタンデム自転車についてです。  長尺自転車とタンデム自転車…どちらもまだまだマイナーな存在だと思いますが、最近私はこれらの自転車こそ自転車生活の極みではないかと考えています。  長尺自転車…ロングテールなどとも言いますが、自転車のサドルから後方のフレームを延長することで荷物を運ぶことを目的にした自転車です。特に、 エクストラサイクル というアメリカの会社は、普通の自転車の後ろアクスルから先にフレームをつぎ足す形のキットを販売し、途上国や被災地での荷物運搬を可能とし、有名になりました。  もちろん数十キロの荷物を積めるわけですから、子供が2人乗ってもびくともしません。家庭を持ち子供を育てるという環境を非常に助けてくれる自転車になるでしょう。  タンデム自転車については、最近は公道を走行できない県のほうが珍しくなりました。大人二人が協力して漕いで進むことのできる自転車のことですね。自転車の99%が一人で乗るものです。二人でライドに行ってもそれぞれがそれぞれに漕ぐことが一般的です。  しかしこのタンデム自転車は、二人で1台に跨るわけですから力の強い人が弱い人を助けて、一緒に走ることができるわけです。前後の距離も近く、普通に会話できるほどと聴きます。  私はずっと一人で自転車に乗ってきました。ライダーは基本的に孤独です。先に書いた通り一人乗りの乗り物で自分の責任でハンドルを握りクランクを回し続けなければならないからです。  しかしながら、誰かと一緒に走りたいという欲求は常にあります。常に協力し励ましあいながら漕がなければならないタンデム自転車というのは、私には究極の乗り物だと感じられるのです。  ここまで書いたことは、他の人が話していたことや見たことでしかありません。何にせよ、どちらも早く経験できるように、よい出会いをしていきたいものです。