コミューターの幅が広がる時代

 コミューターと呼ばれる自転車は、古フェンダーでキャリアやかごを備えた、快適な通勤や日常使いをサポートする自転車と定義づけることができるでしょう。
 代表的なのはママチャリという規格でしょうか。堅牢なスチールフレーム、フェンダーは厳しい気候に耐え、27インチのアルミ・ホイールは走破性、整備性も高いです。変速機は備えず、低速なギア比であることも多いですが、荷物を運んでゆっくり走るにはちょうどよい自転車です。

 その一方で、最近勢力を拡大しているなと思うのは、6段変速を装備し、フラットバーハンドルでやや前傾気味に走行姿勢を取るモデルです。

 代表的な商品は自転車のあさひさんのOFFICEPRESSなどでしょう。
 リムやスポークの品質は上げてあり、700cというロードバイク等と同じ規格のタイヤを履いています。車重こそ20kgと重いですが7段変速でそこそこ快適に走れるにもかかわらず5万円を切る価格です。調べてみると結構驚きの価格ですね。
 加速こそ車両重量から鈍いかもしれませんが、速度が乗ってきたならばかなり走れるスペックでしょう。実際道路で見かけても遅いなと感じることは少ないです。

 さて、これら2つの街乗り自転車が同じコミューターにカテゴライズされるのは時代の変遷を感じます。
 1970年台頃からの交通戦争を通じて、史実として我が国は自転車を歩道へと押し込める政策を続けてきました。
 私はこれには、自動車産業側の要望もかなりあったからと予想しています。
 そういった方針の中で、段差の多い歩道をゆっくりと走ることに特化したママチャリが進化していったわけです。
 しかしながらこの流れが変わったのが2000年台を越えたあたりからです。自転車は車両であるから車道走行が基本だという、現在と同じ方針に転換しました。
 ママチャリで車道を走るのは自動車との速度差から危険に感じるのは事実です。
 そのため、上記のOFFICEPRESSのような快速自転車が売れるようになったと私は考えています。

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